いつも無表情だったり、無口だったりする人は、冷たいイメージを抱かれやすいでしょう。しかし、心の内はわからないものです。今回は筆者が会社員時代に出会った女性・鈴木さん(仮名)とのエピソードをご紹介します。

スイッチOFF

翌日、出社した時のこと。

私はすでに出社していた鈴木さんのデスクに近付き、「おはようございます! 昨日は楽しかったです。また飲みましょう」と挨拶をしに行ったのですが、鈴木さんの返事は「あ……はい、また機会があればお願いします」と元に戻った超塩対応だったのです!

てっきり距離が縮まったと思っていた私は恥ずかしくなり、自分のデスクへ飛んで戻りました。

すると、一連の流れを見ていた先輩の田中さん(仮名)が話してくれました。
「ふふ、びっくりしたでしょ。お酒の席であんまりにも気さくだからオンオフに驚いちゃうよね。だけどよくよく観察してると、飲んでる時のアレが本音なんだろうなって伝わる瞬間が多々あるの。不器用だけど、本当は誰より周りを見てる人なんだよね。だからみんな鈴木さんを嫌いになれないんだよ」

あまりの切り替えに驚きましたが、シャイな鈴木さんの心の内を覗けたようで、「無口なのは真剣に仕事に向き合っている証拠なのかも」と思えるようになりました。私もすっかり、鈴木さんのファンになりそうです。

【体験者:30代・女性自営業、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Emi.A
夜の世界での接客業を経て、会社員に転身。その経験を生かして、男女の人間関係を中心にコラムを執筆。結婚と出産の際に会社員として苦労した経験を経て、働く母親世代の思いにも寄り添うべく、執筆業専門に転身。現在は、男女関係、ワーキングマザーのリアルを描くライティングを行う。