今回は知人のA子さんに聞いた、第二子出産を巡る家庭エピソードをご紹介します。
良かれと思った両親の行動が、幼い長女を大パニックに! 泣き叫ぶ子どもと後悔に苛まれた夜の顛末と、数年後に判明した娘の本音とは!?

娘はお迎えに来たパパの顔を見るなり「ママがいない!」と大騒ぎ!
「弟が生まれたんだよ」と説明しても「ママがいない!」の一点張りで泣き止んでくれません。ビデオ通話で私の顔を見せると、少しは落ち着くものの、生まれたばかりの弟への興味よりも、「ママが突然消えた」という恐怖が勝ってしまったようでした。

その夜、娘は赤ちゃん返りをしたように一晩中「ママー!」と泣き続けたそうです。翌朝、疲れ果てた夫から「何も言わずに入院したのは失敗だったかも」と連絡がきたときは、申し訳なさで胸がいっぱいになりました。

結局、この事件がきっかけで娘の激しい「登園渋り」が始まり、しばらくは仕事の調整も含めて大変な日々が続きました。

数年後に判明した、娘の意外な“本音”

数年後、当時のことを娘に聞いてみました。すると、返ってきた言葉にハッとさせられたのです。

「あのとき、保育園から帰ったらママがいなくなったから、保育園に行くのが怖くなっちゃったんだよ」

「〇日後にママが入院するよ」と伝えて不安にさせたくないと気を遣った結果、「ママがいなくなった」という大パニックを引き起こしてしまったなんて……。親の勝手な先回りが、まんまと裏目に出てしまった瞬間でした。

その後、第三子を授かった際は、前回の猛反省を活かして早めに子どもたちへ伝えることにしました。

「このくらいの日に入院するよ」とあらかじめ予告したことで、子どもたちは不安そうにはしていましたが、心の準備ができていたおかげで、前回のような大パニックは起こりませんでした。

「良かれと思って」のサプライズが、必ずしも子どもにとって正解とは限らない。 育児も仕事も、大切な相手には「事前の共有」が一番の安心材料になるのだと、身をもって学んだ出来事でした。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:日向みなみ
出産を機に、子どもとの時間を最優先できる働き方を模索し、未経験からWebライターの世界へ。ライター歴10年の現在は、オンライン秘書としても活動の幅を広げている。自身の経験を元に、子育てや仕事に奮闘する中で生まれる日々の「あるある」や「モヤモヤ」をテーマに、読者のみなさんと一緒に笑って乗り越えるよう、前向きな気持ちになれるコラムを執筆中。