ついに言い放った反撃のひと言
私は一度深呼吸して、静かに義母を見つめました。
「お義母さん、私、家政婦じゃないんです。夫の妻であって、この家の召使いじゃありません」とはっきり言いました。
その瞬間、空気がピタッと止まりました。
居間のテレビの音がやけに大きく響き、義母の手が止まりました。
夫は焦ったように私を見ましたが、何も言いません。私は続けました。
「お義母さんにも休む時間があるように、私にもあります。家族なら、助け合うのが普通じゃないですか?」長い沈黙の後、義父がゆっくりと口を開きました。
沈黙の後に訪れた変化
「A子さんの言う通りだな。K太、お前も手伝え。座っているだけじゃダメだ」
そのひと言で場の空気が一変。義母はバツの悪そうな顔で立ち上がり、「そうね、私も手伝うわ」とつぶやきました。夫もハッとした顔で立ち上がり、ぎこちない手つきで皿を運び始めました。
私は驚きながらも、胸の奥でスーッと何かが晴れていくのを感じました。
その日から義母の態度は明らかに変わり、翌朝には「A子さん、昨日はごめんなさいね。ついつい甘えてしまって」と声をかけてくれたのです。
それ以来、義実家に行くのが苦痛ではなくなりました。今では夫も、進んで家事を手伝ってくれるようになっています。
私が勇気を出して言ったひと言が、関係を変えたのだと思います。
沈黙していたあの頃の私に伝えたいです。
「我慢は優しさじゃない。自分を大切にすることが、家族を大切にすること」だと。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。