新ルールの宣言
ある日、ついに私は宣言しました。
「これから揚げ物を作る日は、揚げない人が片付け担当よろしく! 食べたいなら、協力して!」
夫は一瞬固まっていましたが、子どもたちが即座に「いいじゃんパパ! ママ大変だもんね」とナイスアシスト。
夫もその言葉にハッとした様子で、「確かに、いつも任せきりだったね」と納得。
我が家に「揚げ物担当制」が導入されました。
揚げたての熱々を食べられる代わりに、片付けを引き受ける。
公平な取引の成立です。
体験して初めてわかる「見えない負担」
ルール化して数ヶ月。
実際にやってみて大変さが身に染みたのか、夫は気軽に「今日は天ぷらにしようよ」など言わなくなりました。それは遠慮というよりも、調理の手間を尊重してくれるようになった証拠です。
揚げ物が食べたい日は私に調理を強要せず、「今日は僕が買ってくるから、楽しよう」スーパーで惣菜を買ってくることも。
時には子どもたちが床拭きを手伝ってくれることもあります。
「役割を分ける」だけで、負担は驚くほど軽くなり、嫌いになりかけていた揚げ物をまた心から楽しめるようになってきました。
大変な家事こそひとりで抱え込まず、家族を巻き込むことが、家庭円満の秘訣なのかもしれません。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。