感情論にはプロを投入
「育ててやったのに」という情に訴える攻撃に対し、これ以上感情論で話し合っても無駄だと私は悟りました。
そして、真っ向から感情的に父と戦うのではなく、戦略で動くことに決めました。
地域包括支援センターに相談し、信頼できるケアマネジャーを紹介してもらったのです。
そして、父も含めた三者面談の場をセッティング。
「娘がやるべき」という父の幻想を打ち砕くには、専門家の力が必要でした。
第三者の言葉の重み
面談で、ケアマネさんは父に冷静かつ毅然と伝えてくれました。
「娘さんの人生を犠牲にするのは、今の介護ではありません。外部サービスを使いましょう」
さらにケアマネさんは続けました。
・デイサービスの利用
・介護保険の範囲で受けられる訪問介護
・サポート費用の予測
・そして「お父様にできること」
父はそこで初めて、「自分にも役割がある」ということを突きつけられたのです。
「娘がやるべきだ」という言い分は、古い価値観と無知からくるものだった──その現実に、父も気づき始めていました。
「仕組み」で共倒れを防ぐ
現在はヘルパーさんとデイサービスをフル活用し、私は週末に通う形に落ち着きました。
父も少しずつ家事やサポートに参加するようになっています。
あの日、感情で流されていたら、私は仕事も生活も人生も失っていたかもしれません。
親を大切にすることと、自分を犠牲にすることは違う。
大切なのは、「家族の誰かが背負う」のではなく、プロを味方につけて「仕組み」で解決することです。
それが、結果として長く親に寄り添い、共倒れを防ぐための賢い選択なのだと、身をもって学びました。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。