年齢を重ねると、誰でも「できていたことが難しくなる」瞬間が増えてきます。それは自然なことですが、本人にとっては“衰えを認める”という辛い現実でもありますよね。家族として、どう向き合うべきなのでしょうか。友人の体験談をご紹介します。
最終兵器を投入!
考えに考えた末、私は父が目に入れても痛くない小学3年生の娘(父にとっての孫)に協力してもらうことに。
娘は、私が事情を話すと、こんな手紙を書いてくれました。
「じいじがじこにあったら、かなしいよ。ずっとずっと長生きしてほしいから、運転はやめてね」
そして、次に一緒に実家へ行った際、父の前で手紙を読み上げてくれたのです。
プライドを溶かした純粋な愛
父の表情がみるみる崩れ、「孫に泣かれたら、かなわんなぁ」と小さく呟きました。
翌日、なんと父は自ら警察署へ行くと言い出しました。
私や母が何度言ってもダメだった頑固な父を動かしたのは、正論ではなく「あなたを失いたくない」という純粋な愛でした。
免許返納後、しばらくは寂しそうにしていた父ですが、今は散歩を楽しんだり、バスで小旅行をしてみたりと、新しい生活をゆっくり味わっているようです。
プライドを傷つけず「心配」をまっすぐに伝えること。
それがきっと、いちばん心に響く説得なのだと学びました。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。