筆者の知人・恵さん(仮名)の小6の息子が突然「修学旅行行かない」と言い出しました。理由を聞いて恵さんは愕然とします。子どもの優しさと、母親の何気ない口癖が招いた誤解とは。

「僕、修学旅行行かない」

恵さんの息子が突然、言い出しました。

「僕、修学旅行行かない」

小6の修学旅行を楽しみにしていたはずなのに……。

理由を聞くと、予想外の答えが返ってきます。

「うち、お金ないんでしょ?」

「お母さん、いつも『お金がない』って言ってるし」

まさか、そんなふうに思っていたなんて。

恵さんは、頭が真っ白になりました。

母を気遣う、息子の優しさ

「お金ないから外食は我慢ね」

「お金ないから新しい服は買えないよ」

確かに恵さんは口癖のように言っていました。

でも修学旅行費は毎月ちゃんと積み立てていますし、生活に困っているわけではありません。

そういえば、友達が新しいゲームの話をしていても、息子は一度もねだりませんでした。

息子はずっと、うちは貧乏なんだと窮屈な思いをしていたのです。

「お金がない」を封印

自分の口癖が、息子をこんなに苦しめていたなんて。

「ごめんね。修学旅行は絶対行かせるよ」

「うちは貧乏じゃない。無駄遣いしないだけなの」

それから、「お金がない」は封印。

「今月は旅行貯金してるから外食控えようね」

具体的に伝えるよう心がけました。