今回は、筆者の知人A子さんのエピソードをご紹介します。
A子さんはご両親から、母の日や父の日といったイベントの度にプレゼントのリクエストがあるそうです。負担が重なったA子さんに、追い打ちをかける出来事があって──。
A子さんはご両親から、母の日や父の日といったイベントの度にプレゼントのリクエストがあるそうです。負担が重なったA子さんに、追い打ちをかける出来事があって──。
追い打ちをかける出来事
両親が60歳になる年のことです。母から「今年は還暦のお祝いと、お父さんの定年退職のお祝いもあるのでよろしくね」と連絡がありました。「レストランで食事と、花束。あとお父さん、携帯を新しくしたいそうだから皆でプレゼントしましょうよ!」母のそんな楽しそうな声に反して、私の気持ちは沈んでいきました。
還暦や定年退職は人生の節目の一つでもあるので、お祝いしたい気持ちはあるのですが、イベントにかける時間もお金も、家事育児や仕事に追われる私にとって、追い打ちでしかありませんでした。
限界を迎えた娘は
限界を迎えた私は母に相談しました。母は「イベントになると楽しくなっちゃって、あなたの状況を考えてなかったわね……」と申し訳なさそうにしていました。
結局、還暦と定年退職のお祝いはホームパーティーでやらせてもらい、毎年のイベントは誕生日にまとめて気持ち程度のものをプレゼントするようになりました。
孫とおそろいの可愛い靴下といった、気兼ねなく買えるものでも十分に喜んでくれています。私は今のかたちになってホッとし、心から感謝の気持ちやお祝いを伝えられるようになったように思います。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Emma.I
長年人事業務に携わり、働き続ける人々の本音や葛藤に触れてきたライター。
現在は仕事や自身の育児を通じて得た経験を元に、誰かの心に寄り添い、クスッと笑えるエピソードを執筆中。特に、女子中高出身者の視点やグローバル企業出身者の視点からの記事を得意とする。