共働きの場合、夫婦間での家事分担は何かと揉めるものです。家事分担の秘訣は平等性よりも相手への思いやりですが、なかなかうまくいかないことも……。今回は、雪が多い地域で暮らす友人A子の毎冬の悩みを紹介します。

A子は「雪かきを手伝ってほしい。朝も早くて大変だから、あなたが7時くらいに起きて少し手伝ってくれれば、私はこんなに早く起きなくてもいい」とB太に伝えたところ、「仕事しているんだからできない」とあっけなく断られてしまいました。A子は「え? その時間帯はまだ仕事が始まっていないのでは」と内心では不満を覚えましたが、これ以上言っても無駄だとあきらめました。

また、A子は雪の日があまりにも大変であるため、義実家でB太が雪かきをしてくれないことを泣きながら相談したこともあります。義両親はA子に謝罪をした上で、B太を叱ってくれましたが、状況は何も変わりませんでした。

窓の外から雪を眺める姿にイラッ

A子は雪の時期になると、第一子の妊娠中にも雪かきをしていた時の記憶を思い出します。日々の雪かきの疲労を感じるだけでなく、草むしりなどもB太が協力してくれないことに心がかき乱されるのです。

B太があたたかい部屋から一歩も出ず、窓を見ながら「雪が積もってる」「雪がひどいね」とまるで他人事のように言うたびに、A子のイライラはつのります。

さらに、B太は「天気予報では〇cm積もるって言ってたのに、全く積もってないね」と言うこともあります。A子が雪かきをしたから、駐車場に雪がないだけなのに……。

A子は夫のこうした言葉に対し、「雪かきの苦労を分かってほしい」「積もっていると思うなら、雪かきしてよ」「駐車場に雪がないのは私が雪かきしたから」と心の中でつぶやいています。

夫婦間でも相手の立場で物事を考えることは大切ですし、「自分がやりたくないことは相手もイヤなはず」と思って行動することはどのような人間関係においても忘れてはならないと思います。

【体験者:40代・会社員女性、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:太田あやこ
大学でジェンダーや女性史を学んだことをきっかけに、専業ライターとして活動中。自身の経験を活かしながら、幅広い情報収集を行い、読者に寄り添うスタイルを貫いている。人生の選択肢を広げるヒントを提供し、日々の悩みに少しでも明るさをもたらせるよう、前向きになれる記事づくりに取り組んでいる。