息子が耳鼻科通いを頑張れたのは、パン屋さんというご褒美があったから。いつものように診察を終えたあと、息子の言葉で、周囲に笑いが広がりました。今でもパン屋さんの前を通るたびに思い出す、筆者の体験談です。

小さなご褒美が支えた耳鼻科通い

息子が4歳の頃、中耳炎と鼻炎の治療で耳鼻科に通う日々が続いていました。
耳や鼻に器具を入れられる処置は、小さな子どもにはどうしても怖く、つらいものです。連日の通院に親子で心折れそうになりながらも、それでも息子が毎回泣かずに頑張れたのは、医院の隣にあるパン屋さんの存在でした。
「終わったらパンを買おうね」という約束は、息子にとってご褒美。香ばしいパンの匂いを楽しみに、帰り道にお気に入りのパンを選ぶことが、我が家のお決まりになっていました。

診察後のまさかの大声宣言

ある日、いつものように治療を終えて会計をしていたときのことです。
受付で順番を待っていると、息子が突然━━
「ママ、僕頑張ったから帰りにパン屋さん行こうね!」と大きな声で宣言しました。
その声は待合室にも受付にも響き渡り、周りの視線が一斉にこちらへ。
「ご褒美で釣っているのがバレてしまった」という気恥ずかしさと、静かな場所で騒いでしまった申し訳なさで、「う、うん……」と小さく返事をするのが精一杯でした。