痛みと不安で、いつも以上に私に甘えてきます。
仕事をしようとしても邪魔をされ、家事もままなりません。
ついイライラして「もう! ダメでしょ!」と怒ってしまった瞬間、長男の目に涙が浮かびました。
悲しそうな、寂しそうな表情です。その顔を見て、私はハッとしました。
長男は今、一番不安で辛いのに、私はまた怒ってしまった……。
その夜、私は深く反省し「怒る」のではなく、「寄り添う」ことを最優先にしようと決めました。
寄り添いと学び
私は長男が甘えてきたら、仕事の手を止めて抱きしめることにしました。
「痛かったね、頑張ってるね」と何度も声をかけます。
バンテージを外そうとしたら「これがあると早く治るよ」と説明し、一緒に好きなアニメを見て気を紛らわせました。
すると長男は少しずつ落ち着いてきました。
完全ではありませんが、固定を受け入れる時間が増えていったのです。
2週間後の診察。
医師から「よく頑張りましたね。順調に癒合していますよ」と言われました。
手術を回避することができ、私は心からホッとしました。
この経験で学んだこと
障害のある本人は、痛みや不調を言葉で伝えるのが難しいことが多いです。
だからこそ、親が「いつもと違う」サインを見逃さないことが何より大切なのです。
子どもが一番辛い時に必要なのは、「叱責」ではなく「安心感」です。
あの朝、怒ってしまったことを今でも悔やんでいます。
でも、その後悔があったからこそ、私は接し方を変えることができました。
長男の骨折は無事に治癒し、スムーズにジャンパーに手を通すことができます。
長男の悲しそうな顔を、二度と見たくありません。
これからは、もっと寄り添える母親でありたいと心から思います。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢佑菜
管理栄養士の資格を持つ、2人の自閉症男子のママ。自身の育児環境の変化をきっかけに、ライター活動をスタート。食と健康を軸に、ライフスタイル全般のコラムを得意とし、実体験に基づいたリアルな記事を執筆中。専門的な情報を「わかりやすく、すぐに日常に取り入れられる形」で伝えることが信条。読者の「知りたい」に寄り添い、暮らしを整えるヒントを発信しつづけている。