これは、私が実際に体験した話です。
道端のカラスやスズメ、蝶々やお散歩中のワンちゃんにも「おはよう!」と声をかける、感受性豊かな3歳の娘。
そんな娘が自宅で初めて実写映画を鑑賞。夢中になっていた娘が、突然溢れ出す感情を抑えきれずに大号泣! 慌てて理由を聞くと、あまりにも純粋すぎる答えが返ってきて──。親の私も驚きと共に感動した当時のエピソードと、思春期を迎えた娘の現在の姿とのギャップをご紹介します。

リビングに響き渡る3歳娘の号泣!

我が家の長女は、小さいころからとにかく感受性が豊かな子どもでした。道を歩けば、カラスや蝶々にも「おはよう!」と挨拶し、空を見上げては「雲さん、きれいだね」と話しかけるような、まるで絵本から飛び出してきたかのような純粋な3歳でした。毎朝、ベランダで水をやる私に「ママ、お花さんにもお水あげてくれてありがとう!」と律儀に感謝を伝えてくれる、心優しい子どもだったのです。

そんな娘が初めて実写のプリンセス映画にチャレンジ! もちろん、リビングのテレビです。週末の午後のこと。借りてきたばかりのDVDを再生すると、娘はソファーの上で、画面に映し出される華やかな世界に、目をキラキラさせて夢中になっていました。私と旦那も、娘の成長を感じながら静かに映画を楽しんでいたのですが、物語がクライマックスに差し掛かり、主人公であるプリンセスがピンチを迎えた、その時でした。

「うわーん!」全力で共鳴した純粋すぎる理由

「うううう……。うわーん!」
突然、堰を切ったように、娘が声を上げて大号泣し始めたのです。家の中とはいえ、そのあまりの勢いに、私と旦那は顔を見合わせ、「えっ!?」と驚愕。まさか家で見ていて、こんなにも感情が爆発するとは思いませんでした。慌ててテレビを一時停止し、娘を抱き上げて落ち着かせようとしました。泣いている娘の様子は、まるで自分がそのピンチの渦中にいるかのよう。声を上げて嗚咽し、肩を震わせ、顔を真っ赤にして、もうどうしようもないといった様子です。

泣きじゃくる娘をリビングの隅で優しく抱きしめ、背中をさすりました。一体何がそんなに怖かったのか、悲しかったのか。私と旦那は、「どうしたの? 怖かったの? もうテレビ消そうか?」と優しく聞いても、娘はただ泣くばかりで言葉になりません。しばらくして、やっと娘の口から出てきた言葉は、私たちが想像もしていなかったものでした。