職場に小さな子どものいる同僚がいたら、周りの人も助け合い精神で何かと融通を利かせたり、仕事を代わってあげたりすることも多いのではないでしょうか。しかし、まれに周りの人の厚意や、子育て支援のための制度に甘えすぎて悪用してしまう人もいるようです。今回は周囲の信頼を裏切った同僚に関する、まさかのトラブルに巻き込まれてしまった筆者の知人、Aさんのお話です。

職場の信頼を裏切った同僚

当時Aさんは独身で、小さな文房具メーカーで働いていました。
Aさんの職場には育休が明けたばかりの同僚がひとりいて、まだ小さい子どもを保育園に預けて働いていました。

その同僚は子どもの体調不良で急に休んだり早退することもしばしばありましたが、独身者の多い職場だったので、「子どもがいるって大変だな」と皆で協力し合って彼女の仕事の抜けた穴をカバーしていました。

そんなある日、いつも通りにAさんが出勤すると、Aさんのデスクの電話が鳴りました。
「すみません、今日も子どもが熱を出したので休みます」
「大変ね、お大事にしてね」
電話は同僚からのもので、子どもの急な発熱で休むとのこと。
そこでAさんが同僚の残した仕事をこなしていたら、今度は同僚のデスクの電話が鳴りました。
同僚の関わっている仕事の取引先からの電話かと思ったAさんが電話をとると、なんとそれは同僚のお姑さんからの電話だったのです。
「〇〇さん(同僚)は今日お休みですけど……」
そう伝えると、お姑さんはとても驚いた様子でした。

同僚が休んだ理由とは……

「そんなはずないわ、今日仕事に行くって言って孫を預けていったのに!」
「いえ、お子さんが急に熱を出したから休むと連絡がありましたので」
お姑さんが言うには、同僚は子どもが熱を出したので保育園に預けられないけれど、今日はどうしても仕事に行かなければならないので義実家で預かってほしいと言って、子どもを義実家に預けて出勤したというのです。
「じゃあどこに行っちゃったのかしら」
お姑さんはあまりに子どもの熱が高いので病院に連れて行っていて、今はその帰りであるとのこと。

着替えさせてやりたいのでこれから同僚の家に連れて帰るつもりだったけれど、カギをなくしてしまい、家に入れない。そこで同僚のスマホに電話をしたけれど、全く連絡がとれないので職場に電話をしたと困りはてた様子で話しました。

それを聞いてとりあえずAさんも同僚の携帯の留守電に連絡を入れましたが、まったく折り返しはありません。お姑さんに連絡をすると、とりあえず義実家で子どもの様子を見るとのことでした。

一部始終を上司やほかの同僚たちも聞いていたため、休みをとって子どもの面倒をみているはずなのに、肝心の同僚はどこに行ったのかと社内は大騒ぎ。