親子の関係は、近すぎるからこそ難しいもの。大切にしたい気持ちはあるのに、会話をするたびに心がすり減ってしまう……。そんな経験はありませんか? 今回は、母親との関係に悩んだ経験を持つ友人が、体験談を聞かせてくれました。

母のセリフで強制終了する会話

母との会話は、決まってこんなセリフで強制終了します。

「どうせ私が悪いのね」
「私なんていなくなればいいんでしょ」

私が少し意見を言ったり、過干渉を指摘したりすると、母はすぐに泣き出して「悲劇のヒロイン」になりきるのです。

以前の私は、その涙を見るたびに強烈な罪悪感に襲われ、「お母さんごめんね、私が言い過ぎた……」と謝ってばかりいました。

育児書で気づいたこと

母は傷つきやすい人だから、私が折れてあげないと……と思い続けていた日々。

しかし、転機は突然訪れました。
子育ての参考にと、何気なく育児書を読んでいた時のこと。
ふと、「母のやっていることは、駄々をこねて親に要求を通そうとする子どもと同じでは?」と思ったのです。

ただ、そこには大きな違いがあります。
子どもが駄々をこねるのは成長の過程でもあり、まだ言葉や感情調整の手段が未発達だからこそ起きるもの。

でも母は大人です。
母は本当に傷ついているのではなく、私の罪悪感を刺激して、自分の思い通りに事を運びたいだけなのかもしれない、と腑に落ちました。