筆者の友人・麻里さん(39歳・仮名)は、5年間不妊治療を続けています。義実家での食事会で義姉から放たれた一言に言葉を失いましたが、夫のまさかの反応が家族を変えました。

義母が慌てて「まあまあ」となだめようとします。

すると夫は義母にも向き直りました。

「母さんもです。いつも“孫はまだか”って妻にプレッシャーかけて」

「不妊治療がどれだけ辛いか、分かってますか?」

麻里さんは驚きました。夫がこんなに怒るなんて。

冗談じゃ済まされない

義姉は慌てて言い訳します。

「冗談だったのに……」

「妻を傷つける冗談は許さない。今日は帰ります」

夫は麻里さんの手を取り、そのまま退席しました。

車の中で、麻里さんは号泣したそうです。

「ありがとう」

ずっと我慢していた感情が、一気に溢れ出ました。

家族が変わった

翌日、義母と義姉から謝罪の電話がありました。

「あなたたちのペースでいいの、いろんな人生があるわよね……本当にごめんなさい」

義母の声には、反省の色が滲んでいました。

「夫が守ってくれたから、前を向けた」

麻里さんはそう振り返ります。

義家族との関係も、少しずつ良くなってきたそうです。

誰かを傷つける言葉は、冗談でも許されない。大切な人を守る勇気が、家族を変えました。

【体験者:30代女性・主婦、回答時期:2022年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:神野まみ
フリーランスのWEBライター・コラムニスト。地域情報誌や女性向けWEBメディアでの執筆経験を活かし、医療・健康、人間関係のコラム、マーケティングなど幅広い分野で活動している。家族やママ友のトラブル経験を原点とし、「誰にも言えない本音を届けたい」という想いで執筆を開始。実体験をもとにしたフィールドワークやヒアリング、SNSや専門家取材、公的機関の情報などを通じて信頼性の高い情報源からリアルな声を集めている。女性向けメディアで連載や寄稿を行い、noteでは実話をもとにしたコラムやストーリーを発信中。