筆者の知人・恵子さん(仮名)は、従兄弟の結婚祝いとして叔母から「ひとり10万円ずつ」の提案を受け、戸惑いながらも了承。しかし後日、衝撃の事実が判明します。

「あ、冷蔵庫頂いたんですよ。ありがとうございました」
「でも一人暮らし用の小さなもので…結局買い替えさせていただきました」

あれ? 冷蔵庫だけ? ふと、恵子さんの勘が働きました。

「他の家電は?」恵子さんは続けて訊ねたのです。

すると「それ以外は全部、自分たちで買いました」

……まさか。

100万円が消えていた

動揺を隠しながら親戚に確認を取ると、驚愕の事実が次々と明らかになりました。

集めた現金のうち、実際に新婚夫婦へ届いていたのは安価な冷蔵庫ひとつだけ。

残りの半額以上は、叔母の借金返済や生活用品の購入に消えていたのです。

恵子さんは深く落胆したといいます。

「お祝いだから」

「親戚のために」

そう信じて預けた10万円だったのに、こんなふうに裏切られるなんて。

善意は、見えないところで試される

「お金が絡む話は、やっぱり慎重にならないと」

恵子さんの言葉には、実感がこもっていました。

親戚だから、家族だから信じられる──そう思いたい。でも現実は、そうではありませんでした。

善意が当たり前のように搾取される瞬間を、恵子さんは目の当たりにしました。

信頼って、形のないもの。だからこそ、一度失ったら取り戻せないのです。

【体験者:50代・自営業、回答時期:2024年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:神野まみ
フリーランスのWEBライター・コラムニスト。地域情報誌や女性向けWEBメディアでの執筆経験を活かし、医療・健康、人間関係のコラム、マーケティングなど幅広い分野で活動している。家族やママ友のトラブル経験を原点とし、「誰にも言えない本音を届けたい」という想いで執筆を開始。実体験をもとにしたフィールドワークやヒアリング、SNSや専門家取材、公的機関の情報などを通じて信頼性の高い情報源からリアルな声を集めている。女性向けメディアで連載や寄稿を行い、noteでは実話をもとにしたコラムやストーリーを発信中。