筆者が20代の頃の話です。祖母の入院で祖父の家の手伝いをした帰り道。タクシーの運転手さんから思わぬ言葉をかけられ、胸がざわつく出来事に。ところがその後、想像もしない展開が待っていました。

思い切って話した“本当の理由”

黙ってやり過ごすこともできたのですが、思い切って事情を説明しました。
「今、祖母が入院していて、家事を手伝いに行った帰りなんです。祖父がタクシー代をくれたので……」
すると運転手さんは、はっとしたように
「ああ、そうだったの? それは悪かったね。事情も知らず、ごめんね」と素直に謝ってくれました。あまりの反応の早さに、私の方が驚いてしまったほどです。
「おじいちゃんのお手伝いなんて、えらいねぇ」と笑いながら、最後にはアメまでくれたのです。

素直に謝れる人

事情を知らずに放った一言が人を傷つけてしまうことは、誰にでもあることかもしれません。
けれど、間違いに気づいたときに素直に謝れる大人は、決して多くありません。

今までの私なら苦笑いでやり過ごしていたところですが、思い切って事情を伝えられたことが私自身の小さな成長でした。
相手がきちんと謝ってくれたことが嬉しくて、あらためてコミュニケーションの大切さを感じました。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒヤリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大下ユウ
歯科衛生士として長年活躍後、一般事務、そして子育てを経て再び歯科衛生士に復帰。その後、自身の経験を活かし、対人関係の仕事とは真逆の在宅ワークであるWebライターに挑戦。現在は、歯科・医療関係、占い、子育て、料理といった幅広いジャンルで、自身の経験や家族・友人へのヒアリングを通して、読者の心に響く記事を執筆中。