フリーのイラストレーターである私が、PTAの「ちょっと描いて」に応えた結果、直面した「ボランティア」の強要。思い切って断ると……? 友人が体験談を語ってくれました。
軽い気持ちで引き受けた、PTAのイラスト係
私はフリーのイラストレーターとして、簡単なイラストを描いています。
ある日、娘の小学校のバザー準備でのこと。
「簡単なイラスト描ける人いる?」と役員のママが、子どもに配るプリントや黒板にイラストを描ける人を探していました。
他に手を挙げる人もいなかったので、「簡単なものでしたら描けます」と、私は手を挙げました。
数分もかからずに描いた私のイラストでしたが、「すっごく上手!」「イラストがあるとないとじゃ大違い」「わかりやすくなった」と評判でした。
感謝され、バザー準備で役に立てたことが心から嬉しかったのです。
次に持ちかけられた「本気の依頼」
そしてしばらく経ったある日。
学校イベントの際、再び役員ママに話しかけられました。
「この前のイラストは本当に助かりました。また学校イベントがあるんですが、パンフレット用のイラストをボランティアで描いてもらえませんか?」
以前描いたものは簡単なイラストでしたが、今度の依頼はパンフレット用の本格的なカット。
構成や清書を含めれば数時間で終わるはずもなく、プロとして受けている本業のスケジュールを削らなければ不可能な分量でした。
安請け合いは、自身の仕事の質を下げることにもなりかねません。
私は悩んだ末に、「プロとしてお引き受けしている仕事と同等の工程が必要なため、無償でお受けするのは難しい」と、丁寧に理由を添えてお断りしました。