最近自分のバッグにぬいぐるみのマスコットをつけている人が多いですよね。お気に入りのマスコットとお出かけすると気分も上がりますし、同じキャラクターが好きな人と会話が弾むこともあるでしょう。今回はそんなマスコットが原因で、まさかのトラブルに巻き込まれた経験のある筆者の知人、Tさんのお話です。バッグにつけたマスコットは、公の場では思わぬトラブルの原因になることもあるのかもしれません……。

母親のまさかの発言……

「あらかわいいわね~、2つあるんだからひとつくらいくれるわよ。ねえ?」
母親の言葉に、Tさんは絶句。

「これはプレゼントでもらった大事なものなのであげられません。離してもらえますか?」
Tさんが答えると、母親はさらに食い下がります。
「2つも持ってるのにケチね~、それにいい大人がそんなのつけてて恥ずかしくないの? 子どもが持ってる方が合ってるわよ」
「恥ずかしくありません。気に入ってるので」
Tさんがそっとマスコットを子どもの手から抜き取ると、子どもが「やだ! ほしい!」と泣き出しました。

子どもが泣いているのは少し気がとがめたので、「〇〇に売ってるので買ってあげてください」と母親に伝え、Tさんはその場から離れました。

「子どもが泣いてるのに! ケチ!」と背後から怒鳴られ、他のお客さんの目も気になるのでTさんは結局ほしかったものも買わずにお店を出たそうです。

いくらかわいいマスコットだったとはいえ、むやみに人のものをほしがる子どもに注意せず、ましてや相手にねだるのはいかがなものでしょうか。Tさんもさすがに大事なものを簡単に人にあげるわけにはいきませんし、それをケチ呼ばわりされると傷つきますね。

今回のトラブルは、Tさんのように「好き」を表現することの楽しさと、同時に「他者の価値観や所有物を尊重すること」の大切さについて、改めて考えるきっかけになるのではないでしょうか。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。