しばらく様子を見ていると、N子の娘は食材を手に取ったらすぐに盛り付けにとりかかりはじめました。そこまでは良いのですが、皆が料理を作ったりしている中でN子の娘は時間のほぼ全てを写真を撮るそぶりに当てていたのです。
N子は静かに動揺しました。
それはまさに、自分が毎日していることそのままだったからです。
「映え」じゃなくても「普通」でいいんだ
その日を境にN子は、フォロワーに正直に経緯を説明し、SNSで「デパ地下惣菜にアレンジを加えていただけだった」と告白したのです。
娘のおままごとを見るまで、気付かずにSNSに夢中になってしまっていたことを反省しました。
決して惣菜などを利用するのがいけないわけではありません。
『外向きの印象だけを意識しすぎることで見栄を張り、嘘をつくこと』は、娘の教育にとって良くないことだと反省したのでした。
偽りから解放されたN子は、精神的にとても楽になったといいます。
そして、着飾らないありのままの生活が逆に共感を呼び、フォロワーからは意外にも温かい反応が返ってきました。
「その方がリアルで好き!」
「私もデパ地下に頼りまくってます!」
「盛り付けの工夫、参考になる〜!」
むしろ以前より親しみを持たれ、リアルのママ友との交流も増えたのです。
SNSはどうしても良いところを見せたくなる場所。
しかし、誰もが毎日完璧な生活を送っている訳ではなく、どこかで現実と折り合いをつけながら生きている。
自分の生活を偽って演出しなくても、ありのままの姿で、少し肩の力を抜いても大丈夫! と教えてくれる、微笑ましいエピソードでした。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Miwa.S
事務員としてのキャリアを積みながら、ライター活動をスタート。持ち前の聞き上手を活かし、職場の同僚や友人などから、嫁姑・ママ友トラブルなどのリアルなエピソードを多数収集し、その声を中心にコラムを執筆。 新たなスキルを身につけ、読者に共感と気づきを届けたいという思いで、日々精力的に情報を発信している。栄養士の資格を活かして、食に関する記事を執筆することも。