家事や育児など、毎日目の回るような忙しさの中で、「私がやらなきゃ」とすべてを抱え込んでいませんか? パートナーともっと協力し合いたいのに、どう伝えていいか分からないと悩む人も多いようです。今回は、筆者の友人の体験談をご紹介します。

夫の決断と予想外の行動

しかし翌日、夫は私の想像を超える行動に出ました。
なんと、会社に「育児休暇」を申請してきたのです。

夫は口先だけではなく、行動で示そうとしていました。

慣れない手つきでオムツを替え、ミルクの温度を慎重に調整し、夜泣きが始まれば私が動く前に飛び起きて「俺がやるから寝てて」と声をかけてくれます。

最初は危なっかしい手つきでしたが、汗だくで娘と向き合うその目は真剣そのもの。
かつて、育児から逃げていた人とは思えない働きぶりに、私の怒りは少しずつ溶けていきました。

倒れて気づいた絆

夫が職場復帰してからも、その激変ぶりは続いています。
実際に育児の大変さを身を持って知った夫は、「手伝う側」ではなく「ともに育てる当事者」へと変わっていきました。

私が「疲れた」と呟こうものなら、すぐに「残りは俺がやるよ」と飛んできてくれます。
娘の健診や予防接種の予定も、今では夫のほうがよく把握しているほどです。

私が倒れたことは代償の大きい出来事でしたが、「倒れないと分からなかった夫」は、今では「倒れる前に支えてくれる夫」になりました。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。