これは筆者の友人から聞いたお話です。
大学時代に留学を夢見ていた彼女。しかし母親からの“ある一言”でその夢を諦めることに。そして十数年後、今度は自分の娘が語学研修に行きたいと言い出したことで、思いがけず過去と向き合うことになったそうです。
大学時代に留学を夢見ていた彼女。しかし母親からの“ある一言”でその夢を諦めることに。そして十数年後、今度は自分の娘が語学研修に行きたいと言い出したことで、思いがけず過去と向き合うことになったそうです。
留学したい! あのとき止めた母の言葉が刺さった
大学2年の春、英語が得意だった私は、半年間のカナダ留学プログラムに応募したいと母に相談しました。将来は英語を使った仕事に就きたくて、プレゼンやレポートの準備も万全。
「視野を広げたい」と真剣に伝えたのに、母は「ダメよ、そんなの」ときっぱり。
「遠すぎるし、何かあったらどうするの?」「知り合いもいないし、事件に巻き込まれたら……」と不安ばかり口にする母に、私は「お母さん、もう子どもじゃないんだよ」と言い返しました。
でも、最終的には「お願い、やめて」の一言で、私は留学を諦めました。
娘の夢に、かつての自分が重なった
それから十数年後、高校2年生になった娘が夕食後にこう言いました。
「ママ、夏休みにアメリカの語学研修に行きたいの。将来は英語を使う仕事に就きたいし、その第一歩にしたいんだ」
ふいに、昔の自分と重なって言葉が詰まりました。でも気がつけば、私は自然とこう言っていました。
「行っておいで。やってみなさい」
やっと聞けた、あのときの母の本音
その夜、ふと実家の母に電話をしました。
「ねぇ、お母さん。昔、私が留学したいって言ったとき、反対したよね?」
少し沈黙があって、母は言いました。