親ならば子どものことは心配なもの。しかし時には心配しすぎが子どもの負担になることもあるようです。筆者の知人Aさんは自他共に認める心配性で、息子が社会人になってもあれこれ口や手を出してしまっていました。社会人になり家を出ていくことになった息子は、Aさんに対してようやく本音を語ってくれたのですが……? Aさんが子離れできたのかどうか、みていきましょう。

引っ越しの日、まだ引き留めようとするAさんに対して息子は語ります。

「お母さんは昔から何にでも口を出してくるし俺自身を信用していないと感じてた。俺は何でも俺自身に解決させてほしかった。今後はそうしていくためにも家を出る」

これまで母に対し意見を言うことのなかった息子の言葉は、Aさんにとって衝撃的でした。

反省……これまでの育児

息子の言葉を聞いて、Aさんはこれまでの育児を反省しました。

「嫌なあだ名で呼ばれた」「意地悪をされた」「友人関係で悩んでいる」

息子にとって嫌なことがあったと感じると、息子に助けてと言われたわけでもないのにAさんは率先して口を出し解決をしてきました。

それが親として正しいあり方だとAさんは思っていたのです。しかし、それは息子が解決する力を奪うことになっていました。少なくとも息子自身はそう感じていたと言うのです。

ようやく子離れできました

息子が家を出て3か月。最初は息子がちゃんと生活できているのか心配でたまらなかったAさんでしたが、心配したくても姿が見えなければ心配することもできません。

何より自分の心配性が息子の成長を奪っていたことに気づいたAさんは、息子のことをそっと見守っていきたいという気持ちになっていたのです。

今さら遅いかもしれないけれど、今後は息子を信用し彼自身の力で人生を乗り越えていってほしいと思えるようになったのでした。

子育てに正解や不正解はないけれど、過去の自分に伝えられるなら「そんなに心配しないで息子に任せてみて」と伝えたいとAさんは語っています。

心配だからこそ信用し任せてみることも、時には必要なのかもしれませんね。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:安藤こげ茶
自身も離婚を経験しており、夫婦トラブルなどのネタは豊富。3児のママとして、子育てに奮闘しながらもネタ探しのためにインタビューをする日々。元銀行員の経験を活かして、金融記事を執筆することも。