親ならば子どものことは心配なもの。しかし時には心配しすぎが子どもの負担になることもあるようです。筆者の知人Aさんは自他共に認める心配性で、息子が社会人になってもあれこれ口や手を出してしまっていました。社会人になり家を出ていくことになった息子は、Aさんに対してようやく本音を語ってくれたのですが……? Aさんが子離れできたのかどうか、みていきましょう。

自他共に認める心配性の母

60代のAさんは息子が就職し、子育てを終えたはずでした。しかし、自他共に認める心配性のAさんは、社会人になった息子に対してもあれこれ世話を焼いてしまいます。

実家暮らしの息子は社会人になり大きく世界が広がったことで、Aさんが把握できない予定も増えました。急に予定が入ることも多く、連絡がなく帰宅が遅くなることも多かったのです。

そんなとき、心配性のAさんは息子の身に何かがあったのではと考え、会社に電話をしてしまいそうになります。

「連絡もなくて帰りが遅いんだけど、何か事件に巻き込まれてないかしら? 会社に電話してみようと思うんだけど」

Aさんが夫に相談すると、「いくつだと思ってるんだ。絶対に電話なんてしてはいけないよ」とたしなめられてしまいます。

家を出る息子の言葉

社会人になって落ち着いた息子は家を出ると言いました。Aさんはもちろん反対です。

「家を出る必要なんてないじゃない。一人暮らしは大変よ。この家にいればお母さんが何でもやってあげられるのに」

しかし息子の決意は固く、夫の後押しもあって息子は家を出て一人暮らしをすることになりました。