皆さんは、子どもの純真無垢な質問に「どうしよう」と困った経験はありますか。適当な言葉や笑顔で誤魔化してしまう……なんてこともありますよね。今回は、筆者の友人S美が体験した子どもの小さな疑問に向き合った結果、得たものについてのエピソードをお届けします。

純真無垢な娘の質問に父がとった行動とは

その日のうちにS美は帰宅した夫に相談したところ、何か思いついた様子の夫から提案があり、後日3人で出かけることになりました。
ショッピングセンターに到着すると、まだ誕生日になっていないにも関わらず、「今日は誕生日に欲しいものをいっぱい買ってあげる」と発言した夫と「いくつでもいいの? やったー!」と喜ぶ娘の姿……

何も聞かされていなかったS美は、驚きながらも何か考えがあるのだろうと黙ってふたりに同行し、ショッピングすることにしました。娘のY子は、3つプレゼントを買ってもらい、とても満足した様子でした。

誕生日当日、なぜか浮かない顔の娘

しかし、誕生日当日になり、なぜか浮かない顔をしていることにS美が気がつきました。
「どうしたの?」と尋ねると「プレゼントをいっぱいもらったのになぜがいつもよりワクワクしない……」となぜか落ち込んでいる様子のY子。

そこでS美の夫が「少し難しいことを言うかもしれないけれど、プレゼントは量じゃなくて質が大事なんだよ。それまでにどんな準備をしてくれて、どんな思いで選んでくれたか、背景も含めて楽しむからワクワクするんだよ。だから、欲しいものをたくさんもらえて嬉しい気持ちももちろんあるだろうけど、世の中にはプレゼントをもらえない子だってたくさんいるんだ。お父さんはY子には、何事も量じゃなくて、質を考えられる子になって欲しいと思うんだ」と伝えました。

今思い返せば、当時のY子に理解するのは、少し難しい発言でした。ですが、この出来事から、プレゼントの量を増やして欲しいと言うことはなくなり、小学生ながらに何か感じとってくれたのではないかなと思います。

与えられることから与えることを学び、中学生になった今ではお小遣いをためて、両親にプレゼントをくれる優しい子に育っているそうです。
毎日が忙しく適当に流してしまいがちな子どもの質問にも、時には真剣に向き合うことの大切さを学んだエピソードでした。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Miwa.S
事務員としてのキャリアを積みながら、ライター活動をスタート。持ち前の聞き上手を活かし、職場の同僚や友人などから、嫁姑・ママ友トラブルなどのリアルなエピソードを多数収集し、その声を中心にコラムを執筆。 新たなスキルを身につけ、読者に共感と気づきを届けたいという思いで、日々精力的に情報を発信している。栄養士の資格を活かして、食に関する記事を執筆することも。