これは筆者自身の年末年始の体験です。毎年の帰省は寒さとの戦いで、特に築年数の古い義実家では暖房があっても底冷えして大変でした。そんな環境を少しでも快適にしようと、防寒グッズを用意したところ、思いがけず心が温まる出来事があったのです。

義実家の寒さ対策に「防寒セット」を導入

例年、義実家での年末年始は底冷えがつらく「今年こそは親子で少しでも快適に過ごしたい」と思っていました。帰省の少し前に息子が風邪を引きましたが、出発する頃にはすっかり回復していました。一方で夫は仕事の都合でどうしても同行できず、その年は私と息子の2人だけで帰省することになりました。

息子が風邪をぶり返さないように、子ども向けのあたたかい防寒グッズをそろえ、私自身も冷えないようにと、もこもこのルームシューズと袖付きフリースブランケットを自分用の“防寒セット”としてネットで購入しました。「帰省中だけ使って、終わったらフリマアプリで手放せばいい」と、当初は期間限定のつもりで用意したアイテムでした。

義父の一言がすべてを変えた

帰省初日、防寒セットを身に着けた私を見た義父が「それ、あったかそうだなぁ」とポツリ。冗談半分で「よかったら着てみます?」と勧めたところ、遠慮しながらも袖を通してくれました。すると「……これ、背中まであったかいな。全然ちがう」と感動した様子。そこから義父はすっかりその防寒セットに夢中になり、新聞を読むときも、テレビを見るときも、ずっと着ていてくれました。ルームシューズまで履いて、まるで新しいおもちゃを手に入れた子どものような笑顔が印象的でした。