保育園の先生から「気になる様子が」と言われた筆者の妹の知人・亜矢さん(仮名)。発達外来を受診すると、医師が指摘したのは意外なことでした。数ヶ月後の変化に驚きの声が……!?

「ただ、脳波検査を見ると寝返りが多くて。睡眠がこま切れになってますね」

確かに。 息子は夜なんども大きく寝返りをしたり、寝ぼけたりしていました。

「お子さんによって必要な睡眠量は異なりますが、この年齢だと9時間以上の睡眠が理想です。もし睡眠の質が低下していると、日中の集中力や情緒に影響を与えることもあります」

「例えば、湯船にしっかり浸かって体を温め、リラックスした状態で入眠を促すのも一つの方法ですよ」

医師の言葉に、亜矢さんはハッとしました。

仕事と家事の両立に追われ、効率を優先してシャワーだけで済ませてしまう日が続いていたのです。
もちろん、それだけが理由ではないかもしれませんが、改善できるポイントが見つかった気がしました。

向き合い方を変えて見えてきたこと

亜矢さんはできる範囲で生活リズムを見直しました。

毎晩しっかりとお風呂に浸かる習慣に。

就寝時間も早めに調整。

数ヶ月後。お迎えのタイミングで、保育園の先生からが報告がありました。

「最近、とても落ち着いて過ごせていますね!」

「集団行動もできるようになって」

亜矢さんは驚きと同時に、「日々の生活の中に、改善のヒントが隠れていたんだ」と、改めて息子の日常を丁寧に観察することの大切さを実感したそうです。

子供の困りごとの背景には、本人の特性だけでなく、環境や体調といった意外な原因が隠れていることもあるのだと痛感しました。

思い込みとの戦い

息子は今、保育園で楽しそうに過ごしています。

「発達障害かも」という言葉に、当時はどれだけドキッとしたことか。

でも、先生が勇気を持って変化や懸念を伝えてくれたおかげで、専門医から具体的なアドバイスをもらえたことに、今は感謝していると亜矢さんは話します。

子供に何か困った行動がある時、「生まれつきの特性」か「一時的な環境や体調」か、どちらか一方に決めつけるのではなく、多角的な視点を持つことの大切さを学びました。

子育ては、思い込みとの戦い。子供の声なきサインに耳を傾け、その子に合ったサポートを模索し続ける重要性を気づかされた出来事でした。

【体験者:30代・女性/会社員、回答時期:2020年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:神野まみ
フリーランスのWEBライター・コラムニスト。地域情報誌や女性向けWEBメディアでの執筆経験を活かし、医療・健康、人間関係のコラム、マーケティングなど幅広い分野で活動している。家族やママ友のトラブル経験を原点とし、「誰にも言えない本音を届けたい」という想いで執筆を開始。実体験をもとにしたフィールドワークやヒアリング、SNSや専門家取材、公的機関の情報などを通じて信頼性の高い情報源からリアルな声を集めている。女性向けメディアで連載や寄稿を行い、noteでは実話をもとにしたコラムやストーリーを発信中。