子育てをしながら働く同僚の止まらない「うちは大変アピール」。そのたびに私は“ラク扱い”され、モヤモヤを抱えていました。ところがあるきっかけで、彼女がその言葉に込めていた思いの存在に気づいたのです。
「うちの方が大変!」くらべたがる同僚に揺れる心
同僚には3歳と2歳の年子の男児がいます。「男の子2人は本当に大変!」「上がお姉ちゃんだったらラクだよね?」と、彼女はよく話していました。
一方、こちらは4歳の娘と2歳の息子。確かに家庭の形は違いますが、忙しさはどちらも変わりません。
それでも彼女は毎回「いいなあ、そっちはラクで」と言いきるのです。まるでこちらのしんどさは存在しないかのように表現され、話すたびに胸がザワつきます。
つらさの量を確かめるような話に、どう返していいのか迷う日々でした。
話すたび“苦労くらべ”に変換される会話
私の子が体調を崩したときでさえ、同僚は「えー、でもうちはもっと大変だよ!」と返してきました。まるで正しさを証明するかのように、どのような話題も“自分の方が上”と主張。
最初は言葉選びが強いだけだと思っていたものの、毎回続くと心が身構えてしまいます。比較されることに疲れ、いつの間にか当たり障りのない返答ばかり選ぶようになっていきました。
家庭ごとに違いがあるだけなのに、なぜここまで必死にアピールするのだろうと疑問でした。