私が興奮気味に言うと、子どもたちの反応は……予想外の「ぎゃー!!」でした。
突然の来訪者、特にあの大きなひげと赤い服に、2人は心底驚いてしまったようです。
泣き止まないどころか嗚咽するほど号泣し、リビングは一瞬で悲劇の舞台となりました。
戸惑ったサンタ役の友人は、苦笑いを浮かべながらそっとプレゼントを置いて退散。
子どもたちはサンタの姿が見えなくなってからもヒックヒックと泣き続け、クリスマス会のテンションはガタ落ち。
「サプライズが、小さな子どもには恐怖になってしまうこともあるんだ……びっくりさせちゃったな」と、私は良かれと思った自分の行動を大いに反省しました。
懲りずに挑んだ翌年
しかし、翌年。再びサンタサプライズを決行しました。
4歳と3歳になり、サンタの存在をしっかり認識しているわが子。
友人と私は、ドアを派手に開けるのはやめて、安全に配慮しながら静かにベランダから登場する「プロのサンタ」演出を選びました。
ベランダからちらっと覗くサンタを見た瞬間、4歳の上の子は「サンタさんだ!」と目を輝かせ、3歳の下の子はちょっと警戒しつつも、その姿をじっと見つめています。
そして、サンタさんが部屋に入りプレゼントの袋を差し出した瞬間、上の子が満面の笑みで言ったのです。
「ありがとう! サンタさん!」
号泣から満面の笑顔へ!
その言葉を聞いた瞬間、隣にいた私とサンタ役の友人は、思わず顔を見合わせて泣きそうになりました。
去年の号泣劇が嘘のように、子どもたちは素直に喜び、もらったプレゼントを手に跳ね回りました。
この瞬間、私と友人は、子どもの成長を感じたのです。
「やっぱり、子どもが素直に喜んでくれるのが一番うれしいね」
サンタサプライズは、子どもの「心の準備」と「成長のタイミング」が何より大切だと学んだクリスマスでした。来年はどんな反応を見せてくれるのか、今から楽しみで仕方がありません。
【体験者:20代・女性パート、回答時期:2025年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。