友人Aの話です。
年末年始は、子どもたちや孫が帰省してくるため、家がにぎやかになります。
おせち作りに追われるなか「大晦日はオードブルでいいんじゃない?」と何気なく言った一言が、思いがけず家族みんなの笑顔を生むきっかけになったそうです。

そんなある年、娘が「お母さん、無理しすぎ。夕飯はお惣菜でもいいんじゃない?」と一言。
Aも思わず「じゃあ、オードブルにしようか」と口にしました。

最初は少し後ろめたさを感じながらも、その提案を実行してみることにしたのです。
「手抜きに見えるかも」という迷いを胸に抱きつつ、迎えた大晦日──。

思いがけず好評だったオードブル

注文してみると、これが大正解。
お皿に盛りつけるだけで見栄えも華やか、味もおいしい。
「これいいね!」「毎年これでいいじゃん!」と家族からも大好評でした。

A自身も「夕方に台所へ駆け込まなくていいって、こんなに楽なんだ」と心から実感。
家族団らんの時間にゆとりが生まれ、穏やかな笑い声があふれる年越しになりました。

ゆとりを楽しむ年の瀬

それ以来、大晦日はオードブルが恒例に。
「おせちは手作り、夕飯はオードブル」──そんな分担スタイルが、Aの家の新しい年末の形になりました。

最近は、パンフレットを眺めながら「今年はどこのにしようかな」と選ぶ時間を楽しんでいるそうです。
頑張りすぎない工夫が、家族の笑顔を長くつなぐ。
「ゆとりのある年越し」も、立派な手作りのひとつなのかもしれません。

【体験者:50代・女性主婦、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。