暴かれた恐ろしい計画
さらに兄は、
「いずれ俺が結婚したら両親は施設に入れることになるだろうし、この家も俺がもらうことになるからさ。今のうちに負担を少しでも減らしておきたかったんだよ」
と笑いながら言い放ったのです。
その言葉を聞いた瞬間、怒りよりも深い悲しみと、裏切られたという思いで全身が震えました。
兄は、リフォーム費用を私に多く払わせて、将来的には両親を施設に入れ、実家を独り占めしようと企んでいたのです。
私はすぐに両親に連絡し、兄の企みを全て話しました。
すると、両親はリフォームの話すら聞かされていなかったことが発覚。
電話越しにも、驚きと怒りが伝わってくるようでした。
壊れてしまった信頼
数日後、父の呼びかけで家族全員が実家に集まり、話し合いの場が設けられることに。
普段は穏やかな父が、その日ばかりは鬼のような形相で兄を睨みつけました。
「お前は親をなんだと思っているんだ! そんな身勝手な考えで妹に負担を押しつけ、挙げ句私たちを施設に入れるつもりだったとは……。リフォーム費用は私たちで全て支払う。ただし、今回の件、お前の行動は決して忘れないからな。将来後悔することになるぞ」
父の言葉から、遺産のことも含めた強い制裁の意思が感じられました。
兄は真っ青になり、何も言い返せずに俯くばかり。
その横で、涙を流し「悲しい」と呟く母の姿が、痛々しく焼きつきました。
それ以来、兄とは必要最低限の連絡しか取っていません。
家族と言う絆も、裏切りひとつでこんなにも脆く崩れてしまうという現実を、思い知らされた出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。