子どもって、ここぞという時に限って思うように動かないもの。発語が早かった筆者の息子は1歳半で次々に言葉を発していました。ところが迎えた1歳半健診、いつものおしゃべりが嘘のように沈黙してしまったのです。

健診後に突然スイッチON

結局、健診の記録には“発語なし”と書かれてしまいました。
ガックリしながら診察室を出たその途端、息子が突然元気に声を上げました。
「でんしゃ!」「バス!」「ジュース!」
さっき保健師さんと見た絵本の内容を次々と口にしだしたのです。

あまりのタイミングの悪さに、思わず「今ー!?」と声を出して笑ってしまいました。
息子は私の反応をよそに、上機嫌でおしゃべりを続けます。
どうやら息子は“人見知り+本番に弱いタイプ”のようです。

子どもはマイペース

その日をきっかけに、私は「子どもって本当に自分のペースで生きているんだな」と感じました。
親が「今こそ頑張ってほしい」「褒めてもらいたい」と思う瞬間に限って、なぜか思うように動かない。
でも、それが子どもの自然な姿なのかもしれません。
あの日の「今ー!?」という笑いが、肩の力をふっと抜いてくれた気がします。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒヤリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大下ユウ
歯科衛生士として長年活躍後、一般事務、そして子育てを経て再び歯科衛生士に復帰。その後、自身の経験を活かし、対人関係の仕事とは真逆の在宅ワークであるWebライターに挑戦。現在は、歯科・医療関係、占い、子育て、料理といった幅広いジャンルで、自身の経験や家族・友人へのヒアリングを通して、読者の心に響く記事を執筆中。