筆者は新人の頃に職場のエレベーターで、マナーの難しさを実感しました。私の職場での解決エピソードをご紹介します。

新人の頃、エレベーターで

私が新人の頃の出来事です。

チームでエレベーターに乗っているとき、エレベーターは目上の人から降りるのがマナーだと聞いていた私は、目的階に到着し、開くボタンを押して先輩たちが降りるのを待っていました。

譲り合い合戦

すると、向かい側の操作盤の前にいた、私の一個上の外国人男性社員が「お先にどうぞ」と私にしきりに言ってくるのです。私も「どうぞどうぞ」と言い、譲り合いが始まりましたが、その先輩は何が何でも女性に先に降りて欲しい様子でした。私は先に降りたものの「目上の方から降りるのがマナーって勉強したしな……」と、先輩より先に降りたことが失礼にあたらないか気になっていました。

私は譲ってもらって当たり前と思われたくなく、その次からは、先輩に譲ってもらっても、一度「いえ、どうぞ」と言い、それでも譲ってもらったら降りるようにしていました。

上司の一言

しかしあるとき、私たちの譲り合い合戦を見ていた上司が「譲り合いも大事だけど、譲り合いを毎回している時間、無駄じゃない?」と言いながら、颯爽と歩いていきました。

その姿を見て、確かにそうかもしれないと納得した私。ここは職場で早く降りたほうが効率的だし、相手も先に降りていいと言っているのだから、遠慮する必要もないはず。

それからは譲ってもらったら「ありがとうございます」と感謝を伝えて先に降りることにしました。

実感したこと

私たちの譲り合い合戦は、これにて解決したのでした。その結果、チーム全体の移動がスムーズになったと感じます。

マナーだから絶対に守らなきゃと頑なにならず、状況や相手の思いやりに応じた形で、柔軟に振る舞うことも大事だと感じた出来事でした。

【体験者:30代・筆者、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Emma.I
長年人事業務に携わり、働き続ける人々の本音や葛藤に触れてきたライター。
現在は仕事や自身の育児を通じて得た経験を元に、誰かの心に寄り添い、クスッと笑えるエピソードを執筆中。特に、女子中高出身者の視点やグローバル企業出身者の視点からの記事を得意とする。