そんな胎毛も成長とともに生え変わるため、一生に一度しかない胎毛を切ったあと、筆などに加工する人も多いようですね。今回はそんな赤ちゃんの髪にまつわる、ショックな出来事に遭遇した経験のある筆者の知人、Sさんのお話です。
「大事な髪だったのに」
ビニール袋に入れられたバラバラの髪を見たSさんは、その場にへたりこんでしまいました。
そしてファーストカットを皆でお祝いするのをどれだけ楽しみにしていたかを旦那さんに伝えました。
「そんなに楽しみにしてたなんて。ちゃんと俺が止めなきゃいけなかったのに、本当にごめん」
旦那さんはSさんの気持ちを聞いて平謝り。そして電話で義母にその旨を伝えました。
「何言ってんの? 子どもの髪くらいで大げさな! そんなに大事にするようなもんじゃないわよ! また伸びてくるしいいでしょ」
義母はそう言って謝ることもなく、笑い飛ばしました。
「一生に一度しかない大事な髪だったのに」
自分のお腹の中にいたときに生えていた髪だからこそ、Sさんは息子の髪をとても大事にしていました。
人の大事にしていたものを、勝手に切るような人とは付き合えないと思い。それからSさんは子どもの誕生日や年末年始以外は義実家と距離を置くことに決めたそうです。
誰が何を大事にしているかは人それぞれですし、他の人から見れば大したものではないものかもしれません。だからといって勝手に手を加えるのはいかがなものでしょうか。
この一件でSさんは深く傷つきましたが、この出来事をきっかけに「二度と同じ過ちを繰り返さない」と夫婦で話し合い、 今後はどんな小さなことでも夫婦間でまず共通認識を持ち、互いの気持ちを深く共有することを誓い合ったそうです。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。