公共の場での迷惑行為、注意したくてもなかなか言えないものです。今回は、満員電車で一人の女性が見せた思いやりに、胸がスカッとした筆者の体験談をお届けします。
押しのけられた瞬間、走った緊張
通勤ラッシュの満員電車。いつもこの時間はぎゅうぎゅう詰めで身動きがとれません。その日も例外ではなく、呼吸をするのも苦しいほどでした。私はイスと扉の間にある、わずかな手すりスペースに立っていました。
その窮屈さに必死で耐えていたときのこと。次の駅で乗ってきた中年女性が肩で息をしながら、全身でもたれかかってきたのです。具合が悪くて倒れこんできたのかと思い、とっさに支えようと身をかがめようとしたのです。
しかし、彼女はしっかりカバンを抱きかかえたまま、さらにグッと体を詰め寄り、わずかなすき間をむりやり確保。私はよろけながら手すりにしがみつき体が固まったのです。
押された衝撃で背中や腕に痛みが走り、よろめいた拍子に足首にも鈍いしびれ。体勢を立て直す間もなく、緊張感で鼓動が早くなるのを感じたのでした。
誰も声を上げられなかったそのとき
彼女の行動に周囲も「えっ」「危ない」と小さくどよめき、空気が一瞬ピンと張り詰めたのです。隣の若い女の子も「きゃっ」と声を上げたのに、本人はまったく見向きもしません。