2歳児クラスで起きた小さな引っかき傷。園が「親同士のトラブルを防ぐため」に伏せていた“ある情報”を、保護者は声を荒げて追及して……。友人が、体験談を語ってくれました。
2歳児クラスの配慮
私は保育士として、2歳児クラスを担当しています。
この年齢の子供たちに強い悪意はなく、トラブルの多くは「おもちゃを譲ってもらえなかった」「大きく振りかぶって手が当たった」といった、まだ感情や運動のコントロールが未熟なゆえに起こるもの。
私たちの園では、子供同士のトラブルで小さなケガが起きた場合、保護者の方には保育士の目が行き届いていなかったことを詫び、事実を説明します。
年齢が低いほど、「誰が、誰にやったか」という情報は伝えません。
これは、親御さんの不安を大きくし、トラブルを家庭や親同士の関係に持ち込ませないための、園側の配慮です。
多くの方がこの説明に「そうでしたか」と納得してくださいます。
しかし、中には「誰にやられたんですか!」と声を荒げる親御さんもいて……。
親御さんの衝撃の要求
ある日、わが子の手の甲に小さな引っかき傷を負ったAさんから、強い追及を受けました。
「真実を教えてください。誰にやられたのかわかれば、家でうちの子に『あの子には近づいちゃダメだよ』と教えられますから!」
と言うAさん。
私は、その言葉に大きな衝撃を受けました。
Aさんが知りたいのは、トラブルを起こす子を特定し、避けるための情報だったのです。
私では手に負えず、園長の対応となりました。
善意の「情報非開示」が不信感を生む?
園長は、
「園での2歳さんクラスのトラブルの原因の多くは、特定の誰かが一方的に悪いわけではありません。今回も同じです」
と、冷静に説明を続けました。