「おばあちゃん」から孫への愛情は、一言では言い表せない特別なものがありますよね。今回は私の友人A子さんから聞いた、ケガをしたおばあちゃんと一緒に乗った救急車の車内で、深い愛情を感じて感動した話を紹介します。

高齢の祖母が……

A子が初めての妊娠中、特に予定がない日は、車で20分ほど離れた実家によく遊びに行っていました。しかし、実家に遊びに来ていたタイミングで、事件が起こりました。高齢の祖母が自宅の庭の段差で転倒してしまい、腰を強打してしまったのです。苦痛で顔を歪めながら「痛い、痛い」を連発する祖母。打ち所が悪かったのかとても痛がっている様子で、祖母は自分で立ち上がることができませんでした。あいにく祖母と同居しているA子の父と母は法事のため県外におり、すぐに帰ってくることはできませんでした。

救急車を要請することに……

大柄な祖母をA子1人ではどうすることもできず、考えた末に救急車を呼ぶことにしました。A子以外に付き添える人は誰もいなかったこともあり、救急車にも同乗したA子。救急車は結構なスピードで走り出したのですが、祖母が思わぬことを言い出したのです。

思わぬ祖母の言葉に感動!

祖母は腰を痛がりながらも、「この子、妊婦なんです」と何度も近くにいる救急隊員に説明し、「スピードを出し過ぎないで」などとお願いしはじめました。祖母は腰や脚などが痛いはずなのに、自分のことより妊娠中の孫のことを心配していたのです。A子は「おばあちゃん、私は全然大丈夫だよ」と祖母に言い聞かせました。救急車の中で、いくつになっても孫である自分を心配する祖母がとても愛おしく感じたA子でした。

救急車で運ばれているのは自分なのに、自分のことよりも妊婦の孫のことを心配するなんて、おばあちゃんの愛情を感じずにはいられませんね。おばあちゃんには、いつまでも長生きしてほしいものです。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:ichika.K
2児の育児を機に、ママの悲喜こもごもを描くライターとしての活動をスタート。子育てメディアなどの執筆を経て、独立し現在はltnでコラムを連載中。大手企業の総合職でのOL経験、そこから夫の単身赴任によりワンオペでの育児を行った経験から、育児と仕事を両立するママの参考になる情報を発信すべく、日々情報をリサーチ中。