生きていてそう何度も経験ができることではない、結婚や出産などといった『ビッグイベント』。そんな喜ばしく重大な事実の公表は、知らされる側だけでなく知らせる本人にとっても特別なものでしょう。今回は筆者の知人の身に起きたそんな『重大発表』にまつわるエピソードを紹介します。

不妊治療と妊娠

今年で結婚してから5年目を迎えた私たち夫婦ですが、この度待望の赤ちゃんを授かりました。

実は結婚当初から妊活をしていたのですが、なかなか子宝に恵まれず……。
この数年は不妊治療に通っていました。

ずっと子どもを願っていた私たちだったので、この4年間は精神的につらい経験も少なくありませんでした。

悪気なく「子どもはまだなの?」と聞かれたり、あまり親しくない人たちに「ご主人、子ども好きなのに可哀想ね」なんて噂をされたり。

そんな経緯もあったからこそ、今回の妊娠はとっても嬉しくて、だからこそ慎重に大切に進めていきたいと感じています。

公表は無事出産を終えてからと思っているため、子どもを授かったこともごく親しい間柄の人にしか報告していません。

思わぬ妊娠報告

順調に妊娠期間を過ごして妊娠9ヶ月を迎えたある日、近所の飲食店で、以前から交流のある夫の友人夫妻とバッタリ顔を合わせました!

夫妻の奥さんは私の大きなお腹を見て「わ~! 赤ちゃん生まれるんだね!」と祝福モード。
そして奥さんから「みんなで写真を撮ろうよ」と言われ、両夫婦で写真を撮りました。

とても嬉しそうに祝福してくれたので、この日は温かい気持ちで眠りにつきました。

SNS

翌日、SNSを開いた私は衝撃の投稿を目にしたのです!

「今日は〇〇(私の名前)の妊娠報告を聞けてとってもハッピーな気持ちに。不妊治療も頑張ってたもんね、自分のことみたいに嬉しい」

なんと昨日の奥さんが、4人で撮った写真付きとともに私の妊娠をSNSで公開していたのです……。

喜んでくれていること自体はありがたいのですが、私自身が公表していない妊娠と不妊治療をしていた事実を不特定多数の人に見られるところに勝手に公表されたくありませんでした。

モヤモヤ

その晩、夫にそのことを相談したのですが、夫は「載せないでって言ってなかったからしょうがないよね」と。

『そのくらい察してよ』と思う私はわがままなのでしょうか?
どうしてもモヤモヤが拭えず、今後の付き合いが不安になっています。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Emi.A
夜の世界での接客業を経て、会社員に転身。その経験を生かして、男女の人間関係を中心にコラムを執筆。結婚と出産の際に会社員として苦労した経験を経て、働く母親世代の思いにも寄り添うべく、執筆業専門に転身。現在は、男女関係、ワーキングマザーのリアルを描くライティングを行う。