筆者の話です。
転勤族の夫と暮らしています。
地元に戻ってからは実家訪問も増えましたが、夫が自分の実家に行くと「亭主関白モード」に変わるのです。
家では別人のような振る舞いに、毎回「その芝居、必要ある?」と苦笑いしてしまいます。

地元に戻り、実家通いが増えた

転勤族の夫と暮らし始めて数年。
ようやく地元に戻る転勤が決まり、両家とも車で行ける距離になりました。
久しぶりの土地に懐かしさを感じながら、週末はどちらかの実家へ顔を出すのが恒例に。
親たちも喜んでくれて、私も穏やかな時間を楽しんでいました。

夫が「スイッチ」を入れる瞬間

ところが、夫の実家に行くと様子が一変します。
「おい、それ取って」「早く飯作ってやって」
そんな言葉、家では一度も聞いたことがありません。

義父母の前では「いい息子・頼りがいのある息子」を演じたいのか、急に威張り口調になり、まるで昭和の夫のよう。

普段は皿洗いやごみ出しも率先してくれるのに、実家ではまるで「王様モード」
食後にはソファに座ってテレビを見始め、コーヒーを差し出せば「気が利くな」と一言。
義母に「お義父さんとそっくりね」と笑われ、私は苦笑いするしかありません。

その裏にある「見栄」

初めのうちは驚いて言葉も出ませんでしたが、何度か繰り返されるうちに「ああ、これは“演技”なのね」と気づきました。
義両親の前では頼もしく見せたいだけ。
そして、彼の「頼もしく見せる」は、亭主関白を装うこと。
けれど、演技が雑すぎてつい心の中でツッコミを入れてしまいます。
「それ毎日私が言っていることじゃない?」と。

家では「本来の夫」に戻る

帰宅後にはもちろん倍返し(?)
「さっきの態度、どういうつもり?」と軽く指摘すれば「あれは“社交辞令”みたいなもん」「ごめんね本心じゃないから」と、どこか気まずそうに笑いました。
どうやら、彼なりに「親の望む息子としての顔」を演じているらしいのです。

その不器用さも含めて、結婚生活の「味」なのかもしれません。
外では見栄っ張り、家では穏やか──そのギャップに、今日も苦笑いがこぼれます。

【体験者:50代女性・筆者、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。