筆者の体験談です。
既婚の友人と久々に会う
私がまだ独身の頃の話です。
先に結婚、出産した友人と久しぶりに二人で会って、ショッピングモールをブラブラと歩いて楽しんでいました。
そんな中、あるお店の前でキョロキョロしながら不安そうな顔をしている3歳くらいの男の子を見つけました。
周りに保護者らしき人はなく、一人で泣き出しそうな顔をしています。
不安そうな男の子に
その様子を見た友人はすぐに駆け寄り、
「どうしたの? ママは?」
しゃがんで優しく声をかけました。
男の子はどうやら迷子になってしまったようで、近くのお店の従業員さんに伝え保護してもらうことに。
当時の私はまだ子どもの扱いがよく分かっておらず、友人の迷いのない声かけが眩しく見えたものです。
「いや~、うちにも子どもがいるからさ。同じくらいの子を見ると放っておけないんだよね」
その時は「そういうものなのか~」と漠然としたイメージでしたが......。
腑に落ちた、あの行動の理由
数年後、私も結婚、出産を経てあの時の友人と同じ立場になりました。
独身の頃にはなかった目線が備わり、確かに我が子と同じくらいの年代の子どもに自然と目が行くようになったのです。
一人で泣いている子どもがいれば、
「大丈夫? ママは?」
と迷いなく声をかけていました。
あれ、私、数年前の友人と同じことをやってる。
そう気づいた時、あの時の友人の気持ちが分かったたような気がしました。
きっと、こうして人は成長していくのでしょう。
次の段階は何だろう?
この先、世界がどんどん広がっていくのが楽しみになるのでした。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:田辺詩織
元医療事務、コールセンター勤務の経験を持つ在宅ワーカー。文学部出身で、文章の力で人々を励ましたいという思いからライターの道へ。自身の出産を機に、育児ブログを立ち上げ、その経験を生かして執筆活動を開始。義実家や夫、ママ友との関係、乳幼児期から中学受験まで多岐にわたる子育ての悩みに寄り添い、読者が前向きになれるような記事を届けている。