予期せぬひと言が胸に刺さった
そんな中、参加していたママ友の一人がポツリとこう言いました。「手作りなの? すごいね。でも、冷凍ケーキでよくない? そこまで頑張る意味ある?」 M子はその言葉に少し驚きました。悪気はなかったかもしれませんが、どうしても「やりすぎじゃない?」という含みが感じられ、言葉に詰まってしまったと言います。それでも彼女は冷静に、「うちは子どもが楽しみにしてるから」と答えました。しかし、その後も彼女の中で、何とも言えない違和感が残り続けたのです。
「頑張りすぎ」に悩んで
その後もM子は、このママ友から「なんでそんなに頑張るの?」という質問を何度か受け、そのたびに心が少しずつ疲れていったと話していました。手作りケーキを作るのが特別なことではない、ただ子どもが喜ぶ顔を見たくて作っているだけなのに、そのシンプルな行動がどうしても理解されないような気がして、彼女は心の中で少しずつ距離を置くようになったそうです。
本当に大切なことに気づいた瞬間
その後、彼女は他のママたちとの関係が自然に居心地の良いものになったと感じるようになりました。「手作りケーキ、素敵だね」と言ってくれるひと言がこんなにも温かく感じられるとは、思ってもいなかったのです。自分が大切にしていることを「無駄だ」と言われても、それが他の人には理解されなくても、自分にとって大切なものはそのままでいい。そう思わせてくれたのは、何よりも子どもの「ママのケーキがいちばん好き」という言葉でした。
親として、思いを大切に
子どもにとって、ママが作ったケーキはただのお菓子ではなく、愛情が込められた特別なものです。M子はその気持ちを大切にしながら、これからも続けていこうと決心したそうです。他の人の意見に流されず、自分の思いを大切にすることが大切だと感じた、そんな出来事でした。
【体験者:40代・女性パート主婦、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。