「正直、もう少し自分の時間も大事にしたくて転職を考えました」
言った瞬間、自分でもハッとして、「終わった……」と思いました。
やる気がない人に聞こえただろうし、もっと“成長したい”とか“御社の理念に共感して”と言うべきだったと後悔しました。
面接官の意外な反応
しかし、面接官の中年女性は意外にも笑ってうなずいたのです。
「いいじゃないですか! 仕事だけが人生じゃないですし、ちゃんと自分の時間を大切にできる人の方が、長く働けると思いますよ」
その言葉に、肩の力がふっと抜けるのを感じました。
そして、そこからは自然と、自分のペースで仕事観や志望動機を話せた気がします。
完璧ではなくとも、私らしく。
数日後、「本音で話してくれたのが印象的でした」というコメントとともに、まさかの採用通知が届きました。
等身大の自分を受け止めてもらえたようで、本当に嬉しかったのを覚えています。
入社後、あの時面接してくれた方に改めて話を聞くと、「完璧な答えを用意してくる人より、人間らしさと誠実さを感じた」と言われました。
面接って、相手を納得させるプレゼンではなく、一緒に働きたいと思えるかを確かめ合う時間なのかもしれませんね。
どうしても“良く見せよう”と力が入ってしまうものですが、少し肩の力を抜いて、自分の本音を言葉にすることが、結果的に自分に合う職場を見つける近道なのかもしれません。
完璧ではない「私らしさ」が、次の扉を開く鍵だったのだと思います。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。