義姉の結婚発表
Aさんは当時、旦那さんと結婚5年目。
結婚してからなかなか子どもに恵まれなかったAさんですが、ある年、念願の第一子を妊娠したのでした。
「何があるかわからないし、皆には安定期に入ってから話そうね」
旦那さんとそう話し合い、安定期に入るまではどちらの実家にも妊娠の報告を控えていました。
そして安定期に入ったので、義実家に報告に行きました。
「いらっしゃい! 」
義両親は2人の突然の訪問を快く迎え入れてくれました。
「2人とも久しぶりね」
「姉ちゃん、来てたんだ」
ちょうど旦那さんのお姉さんも来ていて、実は結婚することが決まったと伝えられました。
「おめでとうございます!」
お祝いの言葉を述べると義姉は喜び、お祝いにはこれが欲しい、結婚式はこんな風にしたいとウキウキした様子で話し始めました。
妊娠を告げると
ひととおり義姉の話を聞き、「で、2人はどうして実家に?」と聞かれたため、Aさんは妊娠したことを義両親と義姉に伝えました。
「まあ、おめでとう! 」
義両親は二人とも「嬉しい報告が重なった」と大喜び。しかし義姉はみるみるうちに不機嫌そうな顔つきになり、こう言いました。
「なんでこんな時に妊娠したのよ?」
「えっ」
「本当空気読めないわね! 今おめでとうって祝われるのは私だけでいいのに……」
義姉の言葉に、Aさん夫婦も義両親もポカンとしてしまいました。
「大きなお腹で結婚式に来ないでよね! 」
Aさんは義姉に「おめでとう」と伝えたのに、義姉はAさんの妊娠に対してお祝いの言葉もなく、文句ばかり。
その日はそのまま帰宅しましたが、後日、結婚式に旦那さんだけ呼ぼうとして義両親に叱られたよう。結局、旦那さんとAさんの二人とも招待されました。
結婚式でも義姉の怒りが爆発
そして結婚式当日。
「今回は許してあげるけど、私が妊娠したタイミングで2人目妊娠するのはやめてよね! もう邪魔しないで!」
と言われたため、Aさんは義姉から距離を置くことにしたそうです。
みんなに「おめでとう」と言われて、主役でいたいという気持ちはわからなくもありません。しかし、お祝いは誰かと競ったり比べたりするものではないはず。それはそれ、これはこれ、と考えて、お互い素直にお祝いしたいものです。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。