平和なママ友ランチ会の裏側
私は幼稚園児の母で、同じクラスのママ友たちと月に一度ランチをしています。
リーダー格のC子さんは、いつもブランドバッグを持ち、ママ友界の中心人物。
私はどちらかというと地味な方で、話を聞く側に回ることが多いタイプでした。
「A子ちゃん、いつも静かだね〜」と笑いながら言われても、波風を立てたくなくて笑ってごまかしていました。
子ども同士が仲良くしている以上、トラブルは避けたかったのです。
「お弁当それだけ?」心がざわつく一言
ある日、幼稚園で親子遠足があり、ランチの時間になりました。
私は朝から忙しく、キャラ弁を作る余裕はなく、簡単なおにぎりとおかずを詰めただけ。
するとC子さんが私の弁当をのぞき込んで、「え、それだけ? 寂しくない? うちなんてキャラ弁3段重よ〜」と大声で笑いました。他のママたちも苦笑い。私は恥ずかしさで顔が熱くなり、息子の前で涙が出そうでした。
息子は「ママのおにぎりが一番好き!」と笑ってくれましたが、C子さんのどこか見下したような笑顔が頭から離れませんでした。
A子の反撃、沈黙のテーブル
数日後のランチ会。
私は黙っていようと思っていたのに、またC子さんが「この前のA子ちゃんのお弁当、可哀想だったね〜」と笑いました。
その瞬間、私の中で何かが切れました。
「C子さん、あのときのお弁当、息子が自分で選んだんです。忙しくても、心をこめて作りました。見た目より“食べる人の笑顔”を大事にしてますから」
店内が一瞬静まり返りました。
C子さんは「別に悪気は……」と笑っていましたが、場の空気は明らかに変わりました。
本当の仲間を見つけた瞬間
その日を境に、私はC子さんとは距離を置くようになりました。
すると、他のママたちが次々に「実は私も苦手だった」と打ち明けてくれたのです。
今までC子さんの意見に同調することが多かったママも、「いつも誰かをバカにしてたよね」と言い始め、グループの空気はガラリと変わりました。
あのとき勇気を出して言い返したおかげで、私は本当に信頼できる友達を見つけられたのです。
ママ友の世界は狭いけれど、我慢して笑うより、自分の信念を守る方がずっと気持ちがいい。そう実感しました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。