A子の会社の新人社員は、資格試験を受けることになっています。勉強会をする新人社員が多くいる中、参加しない新人社員がいて、気になったA子が尋ねると……?
ギリギリに出社する新人社員
私の会社では、新人社員は専門知識を扱うための資格試験を受けることになっています。
試験は冬にあるため、夏休み明けくらいから朝早めに出社し、試験の勉強会をする新人社員の姿が増えていきます。先輩社員も応援に駆けつけるなど、社内はちょっとしたお祭りモードに。
そんな中、いつも始業時間ギリギリに出社する新人社員がいました。「周りは勉強会をしているのに、どうしたんだろう?」と気になっていたのですが……。
本人に聞いてみると……
ある時、その新人社員に
「試験勉強は順調?」と尋ねると、
「朝、カフェで勉強しています」と答えました。
なんでも、朝5時に起きて、7時には会社近くにある勉強しても大丈夫なカフェで勉強しているというのです。みんなでするより一人の方が集中できるから、とのことでした。
「やる気ないって思われてますかね……?」と心配そうに尋ねる新人社員の姿を見て、先輩の目の前で勉強会をする他の新人社員たちと比べてしまっていたことを反省した私……。努力の仕方は人それぞれだな、と改めて思いました。
「ううん、ただ気になっただけ! 勉強頑張ってね!」と言葉をかけ、見守ることにしました。
陰で努力する子
そして、試験が終わりました。毎年何人かは落ちる試験ですが、その新人社員は合格。
また、多くの新人社員は試験後の解放感でいっぱいになり、しばらく勉強をしなくなるものですが、その新人社員は別の資格の勉強をしていました。その姿を見て、陰で努力する子なのだと思いました。
その姿勢は数年経っても変わらず、今では信頼する後輩の一人になっています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Emma.I
長年人事業務に携わり、働き続ける人々の本音や葛藤に触れてきたライター。
現在は仕事や自身の育児を通じて得た経験を元に、誰かの心に寄り添い、クスッと笑えるエピソードを執筆中。特に、女子中高出身者の視点やグローバル企業出身者の視点からの記事を得意とする。