忍び寄る更年期の不調と義母の無理解
私は40代の後半から、更年期の症状が出始めました。
自分でも「前はもっと動けたのに」「何でこんなに具合が悪いんだろう」と思う毎日が続いていました。
一方、義母は大きな病気をしたことがなく、60代後半までバリバリ働いていたとても元気な人。
更年期の症状に悩まされることもなく、自分と同じように他人も動けると思っている人だったのです。
50代
50代に入ると、私の更年期症状はさらに悪化しました。
罹患した乳がんの再発を防ぐため、一般的な更年期の治療ができず、かかりつけの病院で対症療法的に薬を出してもらうのが精いっぱいでした。
そんな私を見て、義母が言い出したのは「更年期でそんなのありえない!」という心無い言葉。
「同じ女性としてどうして理解できないんだろう」と腹立たしく感じていました。
暴言
そんなある日のこと。
義父の誕生日のお祝いに、みんなで食事をすることになりました。
みんなで顔を合わせて食事をしていると、義姉が更年期障害の話をし出したのです。
最近めまいがひどく、病院で検査したところ、更年期障害であることが判明したとか。
ホルモンの補充療法を試しても体に合わず、対症療法しかできないと言われたそうです。
義姉は私に対し「辛いよね……思うように体も動かないし、とんでもないタイミングで具合悪くなったりするし」と声をかけてくれました。
しかし、義母はそこで衝撃的な言葉を吐いたのです。
「私は更年期なんてなかったわよ? あったのかもしれないけど、気合と根性でなくしたのかもね! それが足りないんじゃない?」
怒り
すると、義姉がとても怒った口調で「お母さん、どうしてそんなことが言えるの?」と言ってくれました。
「更年期は個人差があるんだよ? 具合悪いのが長く続いてうつ病になる人だっているし、10年以上続く人だっているんだよ? 自分がたまたま軽かったからって、気合や根性でどうにかなるもんじゃないんだよ?」
その言葉が響いたのか、それから義母は私の体調に文句を言うことはなくなりました。
私の言いたかったことをすべて言ってくれた義姉が、義母の無理解に苦しんでいた私を救ってくれて、本当に感謝しています。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:RIE.K
国文学科を卒業しOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄、多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。シングルマザーとして子どもを養うために、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。