掃除は朝のルーティーン
Aさんは小学1年生の子どもを育てる母。子育て世帯が多く住んでいるアパートで暮らしていて、息子が学校に行ってから掃除機をかけて仕事に行くのが日課です。
子どもがいなくなって仕事に行くまでのちょっとした時間に掃除をしておくことで、きれいな状態をキープすることができるので、Aさんは毎日そうしていました。
その行為が誰かに迷惑をかけているとは、まったく思ってもいなかったのです。
隣人からのクレーム
ある日、Aさんのもとにアパートの管理会社経由で隣人からの苦情が伝えられました。苦情の内容は「朝早くから掃除機をかけないでほしい」というもの。
Aさんはこの苦情を聞いて、「あぁ、神経質な人が住んでいるんだな」と思いました。自分の行動に非はなく、相手が神経質なだけだと思ったのです。
子育て世帯であるAさんにとって、掃除機をかけている朝7時台は早い時間ではありません。「周囲も登校する小学生たちで騒がしい時間なのに、掃除機くらいかけてもいいでしょ」と思っていたのです。
苦情の内容に納得できなかったAさんですが、ご近所トラブルになっても嫌なので掃除機の使用はやめました。
あなたの常識、非常識だよ
隣人からの苦情は、Aさんの中でくすぶっていました。ある日、独身の友人と食事をしたAさんは、この件について友人に話しました。
てっきり同意してくれると思っていたAさんでしたが、友人が見せたのは意外な反応だったのです。
「朝7時から掃除機なんて迷惑に決まってるよ。子育て世帯にとって7時は朝早くないかもしれないけど、私にとってはまだまだ寝ていたい時間だよ」
Aさんは友人の言葉を聞いてハッとさせられました。
常識は人それぞれ
友人の言葉にAさんは自分の独身時代のことを思い出しました。確かに、Aさん自身も独身時代なら7時は寝ている時間です。
ついつい現在の自分を基準に物事を考えてしまい、隣人を神経質で非常識な人だと思っていたことに気づかされたAさん。
改めて非常識な行動をして迷惑をかけていたことを反省し、今後はいろいろな事情の人がいることを忘れずに生きていこうと思ったそうです。
人は誰しも自分基準で物事を考えてしまいがちですが、人の立場に立つことも忘れずにいたいものですね。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:安藤こげ茶
自身も離婚を経験しており、夫婦トラブルなどのネタは豊富。3児のママとして、子育てに奮闘しながらもネタ探しのためにインタビューをする日々。元銀行員の経験を活かして、金融記事を執筆することも。