「昔はこうだった」「私の時代はね」……気付けば、つい口にしてしまう言葉。でもそれは、今を生きる子どもたちの自由な発想や可能性を妨げてしまう恐れもあるようです。今回は、筆者の知人が孫と接する中で体験したエピソードをご紹介します。
つい口にしてしまう言葉
いつからか私は「昔はこうだった」という言葉が口癖になってしまっていました。
孫が生まれてからも、「それは違う」「昔はね……」と口を挟んでしまうことがしばしば。
先日、孫が「おばあちゃん、これ見て!」と、空に緑色の太陽が描かれた絵を見せてきました。
その時も私は思わず「昔から、太陽はオレンジや赤でしょ? 緑色はおかしいよ」と言ってしまったのです。
息子の一言に気付かされ
孫の悲しそうな顔を見て「またやってしまった……」と反省しつつも、一方では「だって緑の太陽なんて変よ」と心の中で思ってしまう、納得できない私もいました。
すると、その様子を見ていた息子が、静かに口を開きました。
「母さん、子どもの想像力は無限大なんだから、そのままを褒めてあげて。太陽が緑色でも、それがこの子の世界観なんだよ」
息子の言葉に一瞬ムッとしたものの、「もしかしたら私は『正しさ』を押し付けて、孫の世界を狭めているのかもしれない」と気付かされたのです。
美術館で見た「自由な世界」
それからしばらくたったある日、息子家族と美術館を訪れました。
展示されていたのは、見慣れない現代アートばかり。
孫が目を輝かせ立ち止まったのは、様々な色のクレヨンが弾けるように散りばめられた抽象画の前でした。