追い打ちをかけるように……
咄嗟に「娘が自分で選んだお気に入りの服なんです」と作り笑いで返した私。
しかし、相手のママは「でも、もっとこう……女の子らしい可愛いのとか、あるじゃない? うちの子は絶対そんなの嫌がって着ないわ~」と、さらに追い打ちをかけるような言葉を続けたのです。
そのとき、私は「この人とは価値観が違いすぎる」と強く感じました。
子どもの個性や選択を尊重する気持ちが、この人にはないのだと。
好みの違いはあって当然です。
でも、それを本人に伝える必要はないはず。
ましてや、傷つけるような言い方をするなんて。私には到底理解できませんでした。
娘のために
よほど悲しかったのか、娘はその後も元気がなく、小さな声で、「もう帰りたい……」と言い出しました。
帰り道、私が「自分で可愛いって思った服が1番可愛いんだよ! 気にしなくていいからね」と何度も伝えると、娘は少しずつ笑顔を取り戻してくれましたが、私の中にはモヤモヤとした感情が残りました。
この一件以来、私は公園でそのママを見かけても、あえて距離を置くようにしています。
子育てをしていると、さまざまな価値観に出会います。
子どもの個性を守るためには、無理に付き合わない勇気も必要だと感じた出来事でした。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。