今回は、筆者の知人・佐智子さん(仮名)が経験した、善意の押し付けが招いた家族の亀裂と、数年越しの和解の物語です。
良かれと思った手伝い
10年ぶりの孫が誕生し、佐智子さんはうれしくてたまりませんでした。
週に3回、息子夫婦の家に通い、洗濯や料理、育児の手伝いを張り切って続けていたそうです。
「ありがとう」と言われるものと信じて疑わず、やりがいさえ感じていました。
ところがある日、嫁から一通のLINEが届きます。
「申し訳ありませんが、しばらく来ないでください」
理由の説明もなく突然の“出禁”通告に、佐智子さんは戸惑いと怒りを覚えました。
息子に訴えると、
「ちょっとやりすぎだったんじゃない?」とまで言われ、何のフォローもなく絶句。
続いた気まずい空白
それ以降、嫁とは一切連絡を取らなくなりました。
年始の挨拶で顔を合わせるだけの、ぎこちない関係が何年も続いたのです。
孫も成長し、以前のように遊びに来ることもなくなっていきます。
「恩知らずにもほどがあるわよね」
そう友人にこぼすと、みな口を揃えて同情してくれました。
自分は一生懸命やってきた。
感謝どころか距離を置かれるなんて。
その思いが、心に澱のように残り続けていたそうです。